ブルーマウンテンとブルーマウンテンブレンドとの違い
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ブレンドというインチキ
インチキと言っては言い過ぎかもしれません。
昔は違っていたからです。
コーヒーに酸味や苦み、渋みを求める人がいます。そういう人のためにブルーマウンテンに酸味の強い豆や渋み、苦みを出す豆をブレンドしていたからです。
でも現在販売されているブルーマウンテンのブレンドはどうでしょうか?安い豆に極少量のブルーマウンテンを混ぜてブルーマウンテンブレンドと称していないでしょうか?
コーヒーショップでブルーマウンテンブレンドの中のブルーマウンテンの割合を訪ねてみてください。答えてくれるお店はありますか?大手百貨店に入っている名前の通ったお店でも割合を言えるのは少数派です。推測するにブルーマウンテンの配合割合が少な過ぎて答えられないのでしょう。まるで詐欺みたいに受け取られますから。
ひどい店になるとブルーマウンテンとして販売しておきながら中身はブレンドなんていうことまであります。
日本に輸入されている豆の多くは、標高800m以下の麓で栽培されたにもかかわらず「ブルーマウンテン」の名を付けられたものであることが多い。そのため、本来のブルーマウンテンを入手することは極めて難しい。国内での「ブルーマウンテン」販売量は、正規輸入量の3倍という事態になっている。(出典:ブランド戦略と偽ブランド)
ジャマイカからパプアニューギニアの東部山岳州、西部山岳州一帯にブルーマウンテンの苗木が移入され、一大産地となった。過去、日本では、これらパプアニューギニアの豆をブルーマウンテンとして扱っていたほか、現在でもブルーマウンテンを連想する名が冠せられて流通していることがある。(出典:ブランド戦略と偽ブランド)
正規のブルーマウンテンのコーヒーを輸入すること自体が困難な現状で、ブレンドの配合割合も明かせないようなブルーマウンテンブレンドなるコーヒーは、ほとんどブルーマウンテンとは別物のコーヒーだと理解しておきましょう!
結論:ブルーマウンテンとブルーマウンテンブレンドの違いは味覚要素である
ブルーマウンテン:香りとうま味(味わい)
ブルーマウンテンブレンド:ブルーマウンテンに苦みや渋み酸味をバランスさせたもの
結論:ブルーマウンテンブレンドには2種類ある
安物のコーヒー豆にブルーマウンテンを少量混ぜて高く販売している(圧倒的に多数)
ブルーマウンテンをベースに好みに合せた味わいの豆をブレンドしている(ごく少数)
見分け方:以下を参照してください。
ブルーマウンテンブレンドの見分け方とは
ブルーマウンテンブレンドは、配合しているブルーマウンテンの調達ルートと配合割合を説明できるところから買いましょう。ここは譲れないスタートラインです。
例えば以下のショップではコーヒー豆の内訳とブルーマウンテンの配合割合を示しています。
こういうしっかりとしたデータを提示しているところから購入するしかありません。
生豆生産国
ジャマイカ・ハイチ・コスタリカ
商品説明
厳選した上質なブルーマウンテンNo.1を40%使用しています。
ブルーマウンテンがもつ甘い香りを大切に、
まろやかなコクと深みを加え、全体的に包みこむような
穏やかな印象にまとめました。
ブルーマウンテンNo.1ブレンド(中深煎) 100g |
私なら最低でも2/3の75%以上。実際は80%以上正規のブルーマウンテンが配合されていてほしいです。繊細なブルーマウンテンの味がブレンドするコーヒーで変化してしまうと感じているからです。
ブルーマウンテンが40%でも30%でも、ご自身が納得したブレンドでおいしいと思えば、そこはコーヒーも嗜好品。皆さんのお好みで楽しまれるのが一番です。日本の多くの人のブルーマウンテンのイメージは香りやうま味だけでなく、酸味・渋み。苦みなどが高度にバランスされている感覚(期待)をお持ちのようです。すべてに100点満点のコーヒーみたいな。実際はそういうことはないのですが、消費者のそうした要望に応えるようなブレンドがなされたものが本来のブルーマウンテンブレンドだと思います。
冒頭でブレンドはインチキだと言ったのは、あまりにも少ないブルーマウンテンの配合(おそらく10%未満)で味も粗悪であるにもかかわらず、いかにもブルーマウンテンというような商品があまりに多いためです。
ブルーマウンテンよりキリマンジャロやモカの方が美味しいと感じる人がいても、もちろんアリです。その方が普通なのです。ブレンドだって良いのです。
ただ、1度は本物の100%ブルーマウンテンの味を、しっかりと味わっていただきたいと思います。それだけの価値がある体験になると思うからです。
雑談:ブレンド
ワインでも、そのブドウの種類、その畑で採れたものだけで醸造するブルゴーニュ式と、様々な種類のブドウを組み合わせた(仏語でアッサンブラージュといいます)ボルドー式があります。
日本茶も、特定の茶畑でとれた単一品種で製茶した煎茶と、様々な茶葉を組み合わせた(合組(ごうぐみ)といいます)煎茶があります。茶を見極めて何十年というご立派な茶師がブレンドするのですが、一方でシンプルなその年のその畑のお茶(ワインで言うブルゴーニュ)も良いものです。
茶師やメーカーが決めつけた「訳の分からない」といっては失礼ですが、これが美味しいお茶だと押しつけられるよりは、自分で好みのお茶を選びたいものです。しかし残念なことに日本ではそうした喫茶文化がないようです。
ただ、宇治茶や静岡なのどの茶農家さんの自家製のものであれば100%ピュアな単一品種のお茶を飲むことができます。
例えば宇治茶で言えば、和束町の茶農家さんで自宅に自家茶園と製茶工場で製茶しているところだと確実です。