至高のコーヒー「ブルーマウンテン」本物と偽物のブルマンを見分ける

ブルーマウンテンブレンドはブルーマウンテンとは言えません。似て非なるコーヒーです。またブルーマウンテン自体も三分の二は偽物!真のブルマンを飲みたい人のために情報を整理整頓しました。

ブルーマウンテンとは

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Jamaican Blue Mountain Coffee packed for retail sales  (From : Jamaican Blue Mountain Coffee From Wikipedia, the free encyclopedia)

誰もが「これがブルーマウンテンだ」と認めることのできるコーヒー豆は、実はほとんどありません。収穫量があまりに少ないためです。

半面需要があまりにも多く、本物のブルーマウンテン100%のコーヒーを味わうことが困難となっています。ブルーマウンテンが3つあれば2つは偽物という話もあるぐらいです!

本来のブルーマウンテンを入手することは極めて難しい。国内での「ブルーマウンテン」販売量は、正規輸入量の3倍という事態になっている。(出典:ブランド戦略と偽ブランド)

中国ではなんと90%が偽物!?

杭州市(浙江省)コーヒー・西餐行業協会の楼波音事務局長は、国内で販売されている 「ブルーマウンテン」の90%が偽物だろうという。原価が1杯5元のコーヒーを「ブルー マウンテン」として売れば、大きな利益が得られるため、偽物があとを絶たないのだ。
(華商晨報=中国新聞社) 出典:【海外】ブルーマウンテン味の偽物だった 上島珈琲(UBC・上海)の高級コーヒー 中国 [10/09/21] 

とにかく…

最初にブルーマウンテンの定義からおさらいしておきましょう。

ブルーマウンテンというコーヒー

まずWikiの定義をみてみましょう。

The Blue Mountains are generally located between Kingston to the south and Port Antonio to the north. Rising to 2,256 metres (7,402 ft), they are some of the highest mountains in the Caribbean. The climate of the region is cool and misty with high rainfall. The soil is rich, with excellent drainage. This combination of climate and soil is considered ideal for coffee.
ブルーマウンテンとは、一般的にキングストンから南、ポート・アントニオから北の一帯をさします。 カリブ海で最も高い山の一つで2,256メートル(7,402フィート)以上の標高があります。 この地域の気候は、涼しく霧が湧き、降雨量も多いです。 土壌は肥えていて排水性は良好です。 この気候と土壌の組み合せが究極ともいえる理想のコーヒーを生み出しているのです。

Traditionally, only coffee grown at elevations between 910 metres (3,000 ft) and 1,700 metres (5,500 ft) could be called Jamaica Blue Mountain. Coffee grown at elevations between 460 metres (1,500 ft) and 910 metres (3,000 ft) is called Jamaica High Mountain, and coffee grown below 460 metres (1,500 ft) elevation is called Jamaica Supreme or Jamaica Low Mountain. (All land in Jamaica above 1,700 metres (5,500 ft) is a forest preserve, so no coffee is grown there.)
昔から標高910メートル(1,900メートル)と1,700メートル(5,500フィート)の間の地帯で栽培されたコーヒーだけがジャマイカブルーマウンテンと呼ぶことができました。 460メートル(1,500フィート)から910メートル(3,000フィート)の高さで栽培されたコーヒーはジャマイカハイマウンテンと呼ばれ、460メートル(1,500フィート)以下の高さのコーヒーはジャマイカ・シュプリームまたはジャマイカ・ローマウンテンと呼びます。 (1,700メートル(5,500フィート)より高い標高はジャマイカの森林保護区なので、そこにはコーヒーは栽培されていません)。


つまり、ブルーマウンテンというコーヒーは、ジャマイカのブルーマウンテンの標高910mから1,700mの範囲で栽培されたコーヒー豆である。ということです。

ブルーマウンテンのコーヒー種別(標高による)

1,700m~910m:ブルーマウンテン
910m~460m:ハイマウンテン
460m~:ローマウンテン(またはシュプリーム)

でも実際はどうでしょう?ハイマウンテンのコーヒーは本来ブルーマウンテンではないのですが、日本では自信をもって「ブルーマウンテン」として販売されています。それどころかブルーマウンテン含む周辺地帯ならいざ知らず、とんでもない場所のコーヒーまでブルーマウンテンとして流通しているそうです。もうジャマイカだったら何でもいいみたいな…

日本でも需要と供給からそういう事例はあります。例えば宇治茶。奈良県や三重県で栽培された茶葉でも宇治茶として流通させることが認められています。つまり産地偽装とするには当たらないのです。

ブルーマウンテンの定義もそうなのです。このサイトではWikiの定義で紹介しています。実はコーヒー豆生産者団体や公共団体の別な定義もあります。しかし旺盛な需要に応えたいとか、広い地域の生産者に利益をもたらせたい、等々の大人の事情が絡んで曖昧模糊としているのが現実です。

例えば、あるコーヒー豆販売店では

ブルーマウンテン山脈の標高800~1,200mにあるブルーマウンテン・エリアで生産されたコーヒーのみにブルーマウンテンの称号が 与えられます。

という立場を取っています。つまりはハイマウンテンの豆をブルーマウンテンとして販売しているのです。でも正直に開示しているだけ良くて、消費者が納得して買うのであれば問題にはならないかと思います。(あぁこれはハイマウンテンだなとわかって買う人はほとんどいないでしょうけど)

このサイトでは、偽装や偽称を追跡したり、さぐることはしません。

いかに正規のブルーマウンテンのコーヒーを入手するのか、見分けるのかについてまとめています。

ジャマイカ日本大使館の公式見解

ブルーマウンテンコーヒー

ジャマイカは、1737年より上質のコーヒーを輸出しています。

ブルーマウンテンは、ジャマイカの特定の地域に限局した地理的表現です。この地域で栽培されるコーヒーは、独特の香り、際立つ甘み、すっきりとしたコクのある味により、世界的に有名になりました。ブルーマウンテンコーヒーの質の高さは、主にブルーマウンテン山脈の特殊な生態系によるものです。中でも、その土壌タイプ、降水型、雲量、霧のかかる山の空気、これらが植物の湿気を保ち、涼しく保つのです。ジャマイカの栽培農家も、最適な酸味を持つ高い収穫量のコーヒー生産するため、発芽、生育、収穫における特別の方法を用います。

ジャマイカのコーヒーは、アラビカ種に由来し、他の国々で生産されるロブスタ種と違い、より繊細で好まれる豆を生産します。また、ジャマイカのコーヒーは、標準のコーヒーに比べ、カフェインの量は3分の2少ないのです。(出典:http://www.jamaicaemb.jp/jp/trade/index.html#trade)

雑談:偽物

韓国の南大門で買い物をしていた時のことです。食料品から服飾品など様々な商品に混じってブランドの偽物とか販売しているところです。

そこで「Brue Mountain」というコーヒーを見かけたので、店主に字が違うよと言ったら

「印刷屋が英語を知らないものだから間違えただけで、中身は本物だ」

と、韓国語で答えていると同行の知人が教えてくれました。

当然中身が間違いであろうことは予測できますので購入しませんでした…

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